佐々木征夫『うめ子先生 100歳の高校教師』読了。
1992年で百歳で昇天されるまで、山形の独立学園で書道の教師をされてた桝本うめ子先生についての本である。
三カ月ほど前、たまたま独立学園のある先生の方から御葉書をいただき、それがこのうめ子先生の「祈」という一字の書の写真が印刷してある絵葉書だった。
それまで恥ずかしながらうめ子先生については全然知らなかったのだけれど、その字にとても感銘を受け、この本を図書館で借りてきてちょっとずつ読んで、今日読み終わった。
とても良い本だった。
独立学園は、戦前から続いている無教会主義キリスト教の高校で、少人数のユニークな教育を実践しているそうである。
この本を読みながら、独立学園に行っていたら、俺ももうちょっと良い人生だったのかもなぁとしみじみ思った。
この本は、もともとは、うめ子先生についてのドキュメント番組に関連して書かれたそうで、番組も当時大きな反響があったそうである。
いつかその番組も、見てみたいものである。
なんといえばいいのだろうか、とてもなつかしい気のする一冊だった。
こういう姿勢や生き方というものが、なんと貴重な稀有なものになってしまっているかに一抹の寂しさも覚えるし、独立学園がうらやましくも感じられるが、それぞれの場で、一生懸命生きていれば、きっとうめ子先生が言うように、その場において、泉が湧きだすのだろうと思う。