2016-01-01から1年間の記事一覧

『「ヨエル書」を読む ―神に立ち帰る』資料 

『「ヨエル書」を読む ―神に立ち帰る』資料 Ⅰ、はじめに Ⅱ、第一部 「いなごの襲来」 Ⅲ、第二部 「神への立ち帰り」 Ⅳ、第三部 「回復と救済」 Ⅴ、第四部 「主の日の審判」 Ⅵ、おわりに Ⅰ、はじめに ヨエル書:十二小預言書のひとつ。成立年代は不明。いなご…

「トマス・デビツドソンの訓誡」 

内村鑑三全集を読んでいたら、トマス・デヴィッドソンという人の二十からなる訓戒が翻訳されて載っていた。よく知らない人物だし、日本ではほとんど知られていないみたいだけれど、19世紀後半のアメリカの哲学者・著述家だったらしい。 https://en.wikipedia…

石原兵永 「回心記」

石原兵永『回心記』を昨夜読了。 内村鑑三の弟子の石原兵永の、若い時の回心の体験とその前後を、当時の日記や記憶をもとに書いてある本。非常に貴重な体験を描いた本だと思う。 個人的には、石原自身の回心も興味深いのだけれど、その回心のあとに、内村が…

今日聞いたある御話

今日、H先生が先日、台湾に行ってきた時の御話を聞いた。 林良信さんという方にお会いしてきたそうで、その方のお父さんの林添信さんとお母さんの林千代さんという方が内村鑑三の弟子だったそうである。 林添信さんは、日本統治下の台湾から東京の学校に留学…

川島重成 「イエスの七つの譬え」

とても面白い、良い本だった。 新約聖書の中には、多くのイエス・キリストが説いた、たとえ話が出てくる。 しかし、現在伝わっているイエスのたとえ話は、おそらくマタイやルカによって改変され、特定の文脈や解釈に埋め込まれてしまっている。 著者は、マタ…

中村哲さんの講演を聞いて

今日は、ペシャワール会の中村哲さんの講演を聞いた。 アフガニスタンの近年の厳しい状況についての御話とともに、近年の治水灌漑事業により六十五万人以上の人が生きる希望を得て、全くの荒れ地だった場所が豊かな緑に変わった様子などを、写真とともに御話…

佐々木征夫『うめ子先生 100歳の高校教師』を読んで

佐々木征夫『うめ子先生 100歳の高校教師』読了。 1992年で百歳で昇天されるまで、山形の独立学園で書道の教師をされてた桝本うめ子先生についての本である。 三カ月ほど前、たまたま独立学園のある先生の方から御葉書をいただき、それがこのうめ子先生の…

男性の意識改革の必要性について

今日、ある先生から、面白い話を聞いた。 その先生がある時、コロンビア人と話をしていて、日本では非正規雇用が増えたことによって結婚しない男性が増え、自殺も増えたという話をしたら、コロンビアの人は、コロンビアではそんな男性は一人もいないと笑い出…

ETV「モーガン・フリーマン 時空を超えて・選「死後の世界はあるのか?」」を見て

この前、ETVであっていた、「モーガン・フリーマン 時空を超えて・選「死後の世界はあるのか?」」という番組を録画していたので見た。面白かった。 臨死体験をしたことがある学者さんの意見や、ニューロンとロボットをつなげて人工の魂をつくる実験をしてい…

雑感

真理のうちに歩むこと(ヨハネの手紙Ⅲ)とはどういうことだろうか? ふと考えてみた。 ヨハネの手紙Ⅰによるならば、真理のうちに歩むとは、すなわち、愛のうちに歩むこと、愛をもって生きること、ということなのだろう。 極めてシンプルな、当たり前のことで…

メフィボシェテのこと

今日は、聖書の研究会で、H先生がサムエル記下の9章あたりの、メフィボシェテの話をしてくださった。 メフィボシェテは、ヨナタンの息子で、五歳の時に高い所から落ちて足を悪くして、生涯歩行が不自由だったという。 サウルとヨナタンがペリシテとの戦争で…

なぜ私は無教会主義キリスト教なのか

自分はなぜ無教会主義キリスト教なのだろうかと、ふと自問してみた。 これといって、特に理由がなく、たまたま、という気がする。 教会について私はほとんど知らないし、詳しくないので、教会と無教会を比較して、ということは私にはできない。 たまたま、キ…

Mさんの告別式

昨日は、Mさんの告別式に参列してきた。 八十六歳だった。 Mさんは無教会主義のキリスト教の集会を長く主催されていた。 もともと秋月藩の武士の家系の方だったそうで、県庁に長く勤務されていた。 弔辞を、大学時代からの親友だった大阪の大きな病院の院…

ユダヤ教のラビの方の御話 メモ

今日は、ユダヤ教のラビのマゴネットさんの御話を聞いた。 ルツ記の一章と二章の途中までで、とても細かにラビの註解なども参照しつつ御話してくださり、とても面白かった。 質疑応答の時に、私も二つ質問した。 ひとつは、ルツ記のナオミの詩の中に出てくる…

沖縄の戦争の語り部の方の御話

沖縄の戦争の語り部の石原絹子さんの貴重な御話をお聞きする機会があった。 石原さんは当時小学一年生で、父・母・兄・妹二人の幸せな家族だったそうである。 しかし、父は兵隊に召集され、のちに戦死したとわかったそうだ。 沖縄が戦場になり、具合の悪い母…

雑感 ユダヤ教について

ユダヤ教やユダヤの歴史をいろいろ追っていて、いまいちよくわからないことがある。 というのは、キリストの十字架の話である。 どうもいまいちよくわからないのは、あれは本当にユダヤ人のしたことだったのだろうか。 もちろん、本当にそうした出来事があっ…

ユダヤ教のラビの方の御話

先日、ユダヤ教のラビのマゴネットさんの講演がS大であったので聞きに行ってきた。 テーマはユダヤ教と同性愛についてだった。 一般的に男色の罪で滅ぼされたとされるソドムの物語は、実は聖書の中では必ずしも男色が原因だったかははっきりとせず、そうと…

SEALDsについてのドキュメント映画「わたしの自由について」を見て

昨夜、近くで、SEALDsについてのドキュメント映画「わたしの自由について」が上映されたので、見に行ってきた。 明るく楽しそうな様子が印象的だった。 「民主主義には声をあげる不断の努力が必要」というメンバーのひとりの奥田さんの言葉も心にのこった。 …

雑感 イスラムとキリスト教について

イスラムについて語ることができるほどイスラムについて私は詳しくないのだけれど、若干の思考の整理のためにキリスト教と比較してみたい。 私が実際に接したことがある限り、イスラムは大変素晴らしい。 日本には、歴史的に見た場合、イスラムはあまりなじ…

佐々木征夫 『草平君の選んだ学校 愛真高校日誌』を読んで

佐々木征夫著『草平君の選んだ学校 愛真高校日誌』という本を読んだ。 島根県にある少人数教育を徹底する、キリスト教にもとづいたユニークな教育を行う小さな高校、愛真高校について取材した本である。 なんといえばいいのか、今の日本が忘れてしまった大切…

イフタールの夕食会

今日は、イフタールの夕食会のお誘いのメールをNさんよりいただいていたので、行ってきた。 イフタールというのは、イスラムの断食明けのことで、その時の夕食会はムスリムにとってとても大切な喜びだそうである。 今日のイフタールは一般の人向けに、大き…

原田正治『弟を殺した彼と、僕』を読んで

原田正治『弟を殺した彼と、僕』(ポプラ社)を読み終わった。 いわゆる「半田保険金殺人事件」について、被害者の遺族の方が書いた本である。 同事件とその犯人だった長谷川敏彦さんについては、大塚公子著『「その日」はいつなのか。―死刑囚長谷川敏彦の叫…

若干の考察 名古屋と福岡の比較

先日、名古屋を訪れた。 名古屋について論じるほどの知識は何もないのだけれど、旅して印象的だったことがある。 それは、名古屋の気前の良さである。 ひつまぶしを食べる時も、薬味はいくらおかわりしても無料である。 これは、名古屋の人にとっては当たり…

武祐一郎 「雪国の小さな高校―基督教独立学園校長7年の歩みから」を読んで

世の中に、こんな学校が本当にあるんだと、 読んでいて、とても驚き、そして感動した。 本書は、山形県の小国というところにある、独立学園という高校についての本である。 その地域は、かつては日本のチベットと呼ばれた、相当な山奥だそうである。 内村鑑…

来日している外国人の若者の結核感染について

今日、市役所等の方々と御話したり質問する機会があり、そこで聞いた話である。 ベトナムや中国やネパールなどからの留学生の中には、同じ部屋に七、八人ぐらいで住んで、そこで結核菌に感染して結核になる場合もあるという。 昼間にほんの少し日本語を勉強…

雑感 信仰について

自分は、どうも信仰の点で、あやふやと思う。 どのような点であやふやなのかというと、つまり、神は本当に最善をなすのか、最善をなすことができるのか、という点である。 書けばなんともはや恐ろしいことだが、その点がどうしてもひっかかる。 もし神が本当…

雑感 社会正義と宗教について

仏教とキリスト教のどちらが優れているかは、一概には言えないとは思う。 たぶん、それぞれにすぐれているところはあるのだろうけれど、ただ、私が仏典よりも聖書において、何かしら心に響くものがあるとすれば、そのひとつは、社会正義の問題があるように思…

恵みは海の波のように : イザヤ書の一節

「イスラエルの聖なる神 あなたを贖う主はこう言われる。 わたしは主、 あなたの神 わたしはあなたを教えて力をもたせ あなたを導いて道を行かせる。 わたしの戒めに耳を傾けるなら あなたの平和は大河のように 恵みは海の波のようになる。 あなたの子孫は砂…

Aさんの御話

先日、Aさんという方の御話を聞いた。 とても感銘深い話だった。 忘れないように、以下に簡単にメモを記したい。 不正確なところや十分に記せていないこともあるかと思うが、それはひとえにAさんではなく、私の責任である。 ――――― 自分は、小さい頃、たま…

大塚公子 「 「その日」はいつなのか。―死刑囚長谷川敏彦の叫び」を読んで

大塚公子『「その日」はいつなのか。―死刑囚長谷川敏彦の叫び』(角川文庫)を読み終わった。 2001年に刑が執行された、長谷川敏彦さんについてのノンフィクションである。 長谷川さんは、保険金殺人で二名、別件で一名を殺害し、死刑判決を受けた。 たしか…