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佐々木征夫 『草平君の選んだ学校 愛真高校日誌』を読んで

 

佐々木征夫著『草平君の選んだ学校 愛真高校日誌』という本を読んだ。

島根県にある少人数教育を徹底する、キリスト教にもとづいたユニークな教育を行う小さな高校、愛真高校について取材した本である。

 

なんといえばいいのか、今の日本が忘れてしまった大切なものが、この学校の教育と、この学校に関わっている人々にはあるとひしひしと感じさせられた。

とても読みやすい、わかりやすい文章で、深いメッセージの数々に、この本を読んでいて、率直に、感動させられた。

 

この本の中に出てくる当時の愛真高校の校長先生をされていた先生には、私も以前直接お会いしたことがあり、本当に誠実な暖かな御人柄と風格を存じ上げているのだけれど、この本を読んであらためて、本当にすばらしい方だなぁと思った。

また、この本の中に出てくる、愛真高校の姉妹校の独立学園の卒業生のある方にも、直接お会いしたことがありかねてより敬愛していたけれど、今まで知らなかったエピソードがこの本にいくつか載っていて、そうだったのかとあらためて尊敬させられた。

 

この本の中で紹介されていた、桝本華子先生の、お孫さん達への遺言の、

 

「立派な人にならなくてもいいから、真実に生きる人になって欲しい。

有名な人にならなくてもいいから、どんな人にもやさしい人になって欲しい。

金持ちにならなくてもいいから、貧しい人の友となって欲しい。

そして最後に、人を赦せる人になって欲しい」

 

という言葉は、胸打たれた。

 

また、佐藤理事長の、

 

「人間の中には、神から与えられた素晴らしいものがあること。

百歳にして童心を失わないような生き方をして欲しいこと。

この世は究極的には善と、正義と、美の勝利で終わること。

そしてそのためには“犠牲”が必要であること」

 

というメッセージも、考えさせられた。

 

創立者の高橋三郎先生の、

 

「人との優劣を競ったり、人の評価によって上下の差別をするようなことは、一切いたしません。

みんな、神様にとってかけがえのない子どもですから“互いに尊重し合う”」

 

という精神は、本当に貴重と思う。

 

世の腐敗を防ぐ“地の塩”を育てる教育を実践している、本当に貴重な学校だとこの本を読んでいて思われた。

縁がなくて自分は行くことができなかったが、機会があれば、自分の身の周りの人に勧めてあげたいと思う。

 

人は何のために生きるか。

平和をつくり、貧困をなくすため。

何のために勉強をするのか。

他の人々を幸せにするため。

 

そう思える子どもたちを育てることができる場所が、愛真高校以外にも、日本中に増えて欲しいと思う。

 

 

 

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