塚本虎二訳新約聖書

今日、塚本虎二訳新約聖書を通読し終わった。
あとがきも含めると1000頁を超える。
この本は、四年前に亡くなったM・Tさんからいただいた。
ところどころは読んだことがあったけれど、きちんと通読したことがなかったので、最近ちょっとずつ読んで、やっと読破することができた。
 
聖書にはいろんな訳があるけれど、塚本訳は最もぬくもりのある、平明でかつ深い、名訳と思う。
とても読みやすく、かつ深い味わいがある。
塚本虎二が一生をかけて長い時間をかけて翻訳しただけのことはあると思う。
 
そして、この翻訳の背後には、塚本虎二の著作集の正続合わせて十八巻が註釈として控えている。
特に、イエス伝全八巻は、福音書の部分の最良の注釈書である。
エス伝も、半分ぐらいは読んだけれど、まだきちんと読めてないところもあるので、またちょっとずつ読んでいきたい。
 
以前、Sさんから、若い時に塚本虎二の聖書講話を何度か直接聞いたことがあり、わずか一節か二節を一時間以上の一回の講話で解説し、しかもそれがとてもすごい熱量のあるもので、日本の和歌なども引用しながら、本当に熱くすばらしいものだった、という思い出話をお聞きしたことがある。
 
いつか正続著作集も通読したいと思うし、この塚本訳新約聖書も、折々にまた読み返したいと思う。